何でもないような事が幸せだったと思う何でもない夜の事、二度と戻れない夜」

高橋ジョージさんの歌「ロード」
最近、何と言っていいのか、伝えにくいんだけど、身近な人が亡くなり、命に考え
る日が多かった。
たいへんお世話になった志戸子の顕正寺のご住職様。
いつも笑顔で話しかけてこられ、冗談をまぜながら、いつも心を和ましてくれた。
杖をつきながらおつとめに来られては、ご遺族様の心に寄り添い、心のこもったお
言葉をかけてくださっていた。
また、その帰りには店に寄り、車のトランクにあるみかんを分けてもらったりもし
た。
そんなご住職が亡くなった際、出張中だったので、葬儀から参加となった。
本堂に安置された棺には、いつものご住職のお姿。最後のお別れでお花を入れる
際、ご住職様のお顔を見た瞬間、気持ちが抑えられなくなり、大粒の涙が流れ、声
を震わせて泣いてしまった。
葬儀社としては失格なのだが、初めてだった…。
それだけ、ご住職様にはたいへんお世話になり、ほんと、思い出深い方でした…合
掌。
また、ある日には、同級生の親が亡くなった。
あまりにも突然の事で、遺族、同級生に会っても片言の業務的な挨拶ぐらいしかで
きなかった…。
それ以上の言葉を話すと、感情があふれてしまうのを恐れたからだ。
通夜には、仕事の都合で参加できなかったのだが、同級生が来てくれたみたいで一
安心した。
親を亡くし、つらく苦しい時に友達が来てくれるだけで、ほんと嬉しいものなので
す。
葬儀終了後、親を亡くした同級生からみんなにお礼がしたいと連絡があったので、
「今後、同級生に不幸があった時、その同級生に電話でいいから声をかけてあげて
ください。その方が嬉しいものですよ」とお願いした。
また、ある葬儀では、今まで人生、夫婦力を合わせて歩んで来た人生。奥さんが病
気になっても布団を並べ、二人顔を見合わせ、「大好きだよー」ってほほをさすりな
がら語り合う二人。そんな二人を陰ながらも支える家族。そして、そんな家族にも
別れの時が訪れた…。
また、ある葬儀では、突然訪れた愛する子供との別れ。
棺に寄り添う親の姿。
私も同じ子を持つ親として何と声をかけていいのだろうか、慰めの言葉も見つから
ない。
そんな悲しみの中、時間だけは淡々と流れていく。
そして、葬儀の中での、遺族代表のお父さんの言葉。
「同級生の皆さんに、お願いがあります。子供が元気で楽しく笑っていることが、
親としての願いです。どうか、親より先にいかないでください」
ほんと、その通りだと思う。親からすると、何よりも大切なのは子供の幸せだと思
う。
ほんと、命ってわからない。
亡くなる本人も、遺された遺族も、こんな一日になるなんて思いもしない…。
できるものなら、間違いであってほしい…。
何もいらないから生きているあの日に戻してほしいと思う。
人との別れはほんとつらく苦しい事。
それが自分の家族ならなおさらの事。
いつか訪れるとは分かっていても、遠い先の話だと思っている。
ほんと、その時が来た時に、自分自身どうなるだろう。
この仕事をしながら、日々、命のはかなさ、命の尊さを感じながらも、思っては消
えていく毎日。
死には順番はない…。
その迎える死が、明日、自分の番かもしれないのに。
やはり、他人事のように思い、まだまだ先の話だと思っているだめな人間の一人で
す。
もうすぐ年末、今年も家族そろって新しい年、平成最後の正月を迎えるはずだっ
た。
でも、そんな家族にはいなくなった家族の存在を改めて感じ、つらく苦しい
時間になることだろう。
あらためて、ご冥福をお祈
りいたします。

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