布団に眠る、あの元気だったおばあちゃん。
最近見ないうちにやせてしまったお顔に、昔の面影を探し見つめる俺。
生前、自宅に伺うと「山野さん、山野さん、お父さんは元気かい。いつもありがと
うねー」と笑顔で迎えてくれた。
そんな笑顔のかわいいおばあちゃんの頭に広がる白髪。
「ほんと、人生を全うしたんだなー」と胸が熱くなった。
人間、生まれてくる時、澄み切った汚れのない心「白」から始まり、いろんな人生
を歩み、そして人生の終わりを告げる時、身も心も精魂尽き「白」無になるのだ。
人生振り返れば、自分第一の人生から、子供第一の人生に変わる。
いつまでも自分は元気と思っていても、時とともに「ガタ」がくる。
そんな身体でも子供のため、孫のためと無理をしながら頑張る毎日。
長いようで短い人生を終える。
「白髪」
それは今まで人生を頑張って歩んできた証だと思う。
俺も四十代半ば。
俺の頭にも人生の証が見え隠れしている。
先日、知り合いのおばあちゃんが亡くなった。