先日、南日本新聞に

「小規模葬向け会館増加」
との見出しが大きく掲載されていた。
鹿児島も少子高齢化が進み、小規模葬儀向けの葬祭場が増え、お墓も合同墓が増え
てきている。
そのため、葬儀や墓など人生の締めくくりの「終活」を考える人が増えているとの
内容だった。
この数年、葬儀施行している中で思っていたことが新聞の活字として書かれた事に
「現実」を感じた。
自宅葬より斎場葬へ。
バブル崩壊後、大型葬儀より小規模葬儀に変わり、身内だけで行う家族葬、さらに
葬儀も行わず火葬のみする直葬が増えてきた。
その動向と連動して、遺体安置施設が増えている。
また、生活保護者が増え、福祉扱いの葬儀が年々増加しているのだ。
屋久島も例外ではない。子供達は島外での生活。亡くなるのは自宅でなく、病院の
ベッドの上。
葬儀は自宅葬から斎場葬へ変わり、料理はほとんどが外注。
葬儀は送る人も高齢者、送られる人も高齢者。
初七日などの法要も生きている人間の都合により引き寄せてするご葬家が増えてい
る。
崩してはいけない所も世の中の生活で崩れつつあるのを感じる最近の葬儀。
この屋久島で長年生活をし、周りの人達の支えがあって、今までの自分の幸せがあ
る。
旅立つ者としては、葬儀は派手にしなくてもいい、子供達、周りの人達に迷惑をか
けたくない。
でも入院中「屋久島に帰りたい」「家に帰りたい」
そして住み慣れたこの屋久島、そして集落でお世話になった人達と別れをし、旅立
ちたいと思う。
私自身、その時が来たなら、親に対して最後の親孝行として、この宮之浦の地より
送り出してあげたいと思っている。
私と同じように思い、送る人は多いだろう。
最後に、できるだけその願いを叶え、力になり、支えてさしあげることが、この屋
久島の葬儀社の責務と考え、頑張りたいと思う。

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