二男さんの一本の電話

「おやじ、車が欲しいんだけど、どうしたらいいのかな」
息子は東京の葬儀下請けの生花店に4年、今年になって鹿児島の葬儀社で働いてい
る。
東京では車は必要なかったのだが、鹿児島では、やはり必要となったので、島で使
っていた白軽バン(仕事用)の車を貸し付けた。
最初は、ぼやいていたが、自分で車買うか、電車通勤するか、それとも白軽バンに
乗るかの選択だ。
しぶしぶ白軽バンを選んだ。
私自身、若き頃、自分で買ったし、親が子供の選ぶ車を買い与えるのがいやだし、
自分自身で買うことで責任を感じるし、大切にするからだ。
白軽バンを預けてから半年。車欲しい理由を聞くと、「買い物に出かける時恥ずかし
い」そうだ。俺なんか、いつも白軽バンなんだけどな。たしかに俺だってもっとい
い車欲しいなーと思うのだが、そこで思い浮かぶのが親の声。
「良か車ってどこにいくというんだ。これじゃ花も乗せられないが〜」と言われる
だろう。
高額で龍が載っていて目立つ車は持っているんだけど、プライベートには乗れない
し、その前に、プライベートの時間はないか〜(笑)。仕事柄縁がない物「高級車」
と「ゴルフ」この二つだけは踏み込めないし踏み込まない。
そんな事を思いながら「車、何がいいのかな」「どうしたらいいのかな」とやはり欲
しいみたいだったので、アドバイス。
お父さんなら軽の新車か新古車を買う、今の軽は広いし燃費がいいし、小回りもき
く。税金安いし車庫証明いらないし、車検も3年付くし、いいよね」
息子は普通車がいいみたいだったので、更に追加で助言。
車買ったら、保険も掛けないといけないし、何より助手席に載せた人にも金かかる
ぞ」と付け加えた。
こんな話をするのも、若い頃の自分を思い出し楽しかった。
それから、数日後、軽の新車をローンで買うことに決めたみたいだ。
1ℓ︱35 ㎞走るんだって。最近の車はすごいなーとも感じた。
さあ息子よ。
車を持つことはお金がかかる。その助手席に乗る人にはもっとお金がかかる。そし
て、その先の未来にもお金がかかるが、大人の一歩になることだろう…
大変だろうけど、仕事にプライベートに、一日一日頑張りながら楽しんで欲しいと
思う。

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