2代目チビと呼ばれ、犬としてはかなりの小心者で、一緒にいる猫に餌を先に食べ
られても、怒ることもできないチビだった。
だから、猫の食べ残しを食べる毎日だった。
そんなある日、足先をケガし、犬小屋の中は血でいっぱいになっていた。
あわてて病院に連れて行くと「マムシにかまれたね」と判断された。
やわらかい肉球をかまれたらしく、チビは元気のない眼で見つめていた。
それから数時間後、誰にも看取られず、旅立ってしまった。
ほんと、もういやだ。
仕事でたくさんの死、別れを見てきた。
だから、俺の心もいっぱいなんだよね。
死んだ姿、子供の悲しんでいる姿、もういやだ。
数ヶ月前にも、うちで飼っていた猫が立て続けに車にひかれたばかり。
動物は自分たちよりも早く死ぬ。だからこそ、動物を飼うということは、死を受け
入れる、別れがあることを受ける覚悟が必要なんだ。
月日の流れとともに、ペットがいつからか家族の一員と変わっていく。そこにある
のは「家族の死」なんだよね。
「命」「一つしかない命」
生きるということは、
「一つの命のためにたくさんの命が消えていく」
だから、生かされた命は、その失われた命の分まで、生きていかなければいけな
い。
命、はかないもの。だから、精一杯生きることが「使命」なんだから。
チビは、家族にたくさんの思い出を残し旅立った。
今、家族としてできることは、一緒に過ごしたことを忘れずにいてあげることが一
番の供養だと思う。
そして、自分自身、まわりの人、限られた時間を大切に生きていきたい。
畑で飼っている犬(チビ)が死んだ。