ちょっと、自分自身もいっぱいいっぱいなので、昔話を一つ。
俺が小学生の時の話。
俺自身、親から授かった元気な身体。6年間元気に一日も休まず学校生活を送って
いた。
そんなある朝、起きようとしたら熱っぽくて、風邪の症状だった。病院に行き、薬
をもらい、家に帰りついた時、母に「学校どうするか」と言われた。
今までなら無理をしてでも行っていたんだけど、その日だけは休むことにした。
決して、学校に行けないほど体調が悪かったわけではなかった。
そこには、長年にわたり、ある目的があり、心を揺るがしたのだ。
時間だけが、布団の中で過ぎていった。
「休みってこんな感じなんだろうな〜」
「学校は○時間目だな〜みんなどうしてるかな〜」
「少しは心配してくれてるかな〜」と、体調悪い中にも、頭の中では学校の様子を
考えていた。
そんな矛盾した気持ちにさせた原因は、昔は学校を休むと近所の同級生がパンを持
ってきてくれたのだ。俺も何回か、ざら紙に包んだパンを配達したものだった。
「そう、このパンを食べたい」「一度でいいから、持ってきたパンを食べたい」と考
えていた。
ただの普通の給食に出てくる味のうすいパンなのに、なぜか食べたかったのだ。
そんな願いを心に持ちつつ、時間が経つのを待っていた。
しかし、夕方になっても、人が訪ねてくる雰囲気がない。
「なぜ、どうして」と思った時、俺はある大きな致命的な失態に気づいたのだ。
そう、この日は、今でも覚えているけど「金曜日」、「金曜日」=「ごはんの日」な
のだ。なんてことだ。よりによって金曜日なんだと自分自身を責めた。
当然、パンが届くはずもなく、少年の野望が見事に散った一日だった。
小学6年間、この一回だけ休んだ。
今でも思う。
もし、あの日、欲望を抑え学校に行っていたなら皆勤賞。
皆勤賞は、何かもらえたのかなーと今でも思う。
最近、命を考える事が多かった。