様が集まって、戦死した人達を追悼し、そして今ある平和に感謝する式典である。
そんな大切な式典の日に、大事件が起きた。
式典が終わり、旧上屋久町の人達が宮之浦の慰霊碑をお参りして帰りましょうと立
ち寄った時、信じられない光景が目に入った。
なんと、朝飾った花が昼にお参りに来たらなくなっていたのだ。
慰霊碑の横には、花が抜かれた容器がさびしそうにスタンドの上に残っていた。
動物のしわざか→動物なら容器ごと倒されてるだろうし、葉や茎では持っていかな
い。
子供のしわざか→子供なら、遊んで抜いたとしたらそのあたりに花が散乱している
はずだけど、きれいなままだ。
結果、言えることは、大人のしわざ。
善悪の分かる大人のしわざなのだ。
今まで各集落の墓で花が盗まれたこともあった。
うちの納骨堂でさえ、花や線香立ても盗まれたことがあった。
田舎の良さ、それは、家なども開けっぱなし。それでも取られないという安心と信
頼が成りたっていて、心のやすらぎにつながっているのだ。
今回の出来事は、あってはならない事。今まで国のため、家族のために自分の命を
犠牲にしてきた人達を敬う大切な日。そのために飾られた花を盗むなんて
「もう屋久島は終わりだ」
盗んだ花を自分のご先祖様に供えるだろう。ご先祖様もあの世で肩身の狭い思いを
しているだろうし、かわいそうな話だ。
ご遺族様たちは、これから毎年この日を迎える時、今回の出来事を思い出し、さら
につらい日を迎えていくことになってしまった。
犯人へ。
もし心の中に罪悪感を持ったのであれば、来年のこの日、慰霊祭に一輪の花でいい
ですから供えてください。
そうすることで、ご遺族がお参りに来た際、心がなごむだろうし、あなたの気持ち
を理解し許してくれることでしょう。
先月、毎年の戦没者の慰霊祭が安房で行われた。